1年生は、これから探究を進めていくあたって重要な、身の回りのことを注意深く観察して興味関心を持ち、「なぜだろう?」と疑問を持つためのトレーニングをしています。
トレーニングの素材は「能登高校」。1年生にとって今もっとも身近な「地域」です。生徒たちは日々感じている素朴な疑問をじっくり考えて書き出していきました。
能登高校の「なぜ?」を考えるためにはSDGs(※)を活用しました。
※SDGs・・・Sustainable Development Goals(持続可能な開発目標)。世界が抱える課題の2030年までの解決に向けて国連が全会一致で採択した17の目標と169のターゲット。
SDGsは2030年までに解決したい世界共通の課題や解決目標が示されており、それらは学校に潜む問題や改善点を考える上での参考にもなります。
1年生はまずSDGsについての概略説明を聞きました。3年前には生徒のSDGs認知度はまだまだ低かったのですが、今年の1年生はほとんどの生徒がSDGsを「知っている」「聞いたことがある」と答えていました。年々と浸透しているようです。
生徒からは
「SDGsと一緒に考えることでこれまで見えなかった問題が見えてくる」
「世界にはまだたくさん解決していない問題がある。2030年までに全部の目標が解決できるのだろうか?」
「社会の1つの出来事にもたくさんの問題が関わっているとわかった」
「SDGsは国際的な問題だと思っていたが、けっこう身近なもので、大きな問題でも意外と近くにあるのだと思った」
「社会・経済・環境・平和をバランスよく保つことが持続可能な開発につながるとわかった」
といった声が聞かれました。
さらに生徒たちは「ゴール1~6 社会の基盤」「ゴール7~12 経済の基盤」「ゴール13~17 環境と平和」の担当に分かれて、それぞれのSDGsを通して能登高校を見て
- これを変えるとより良くなる
- 新しく取り組むとより良くなる
と思うことを見つけるワークに取り組みました。
「学校にエレベータがない・・・ケガをしていた人が大変そうに階段を登っていたから」
「女子はスカートじゃないといけないのか・・・冬は寒いから」
「トイレに石鹸が少ない・・・衛生的に良くないから」
「ロッカーが小さくて使いにくい・・・物がきれいに入らないから」
「PC・タブレットがあるのでもっと使いたい・・・PC・タブレットを使い慣れていないと生きていけない社会だから」
「能登高校のみんなにワクチンが行き渡っていない・・・大人だけワクチンを打っているのは変だなと思ったから」
生徒からはこんな「探究のタネ」が書き出されていました。
こうした学校生活の日常に潜む「なぜ?」を生かして1年生は探究していきます。