石川県立能登高等学校

探究の窓

2021/11/022年生 能登の米を売るためには

2年生は総合的な探究の時間(総探)で「地域探究」に取り組んでいます。「地域」を「自分以外の誰か」「自分以外の何か」と幅広く捉え、自分の「興味」「好きなこと」「疑問」を探究して「地域を元気にする(今よりも良くする)」ことを目的とした活動です。

様々なテーマを探究するいくつかのチームに分かれて活動していますが、その中の1つに「能登の米」に着目したチームがあります。

米食の減少や生産者の高齢化、地域内の人口減少など、様々な社会環境変化によってお米の生産量・流通量は減少し、一方で販売価格は低い状況が続いており、それは能登の稲作環境においても例外ではありません。

「能登はおいしいお米が作られているのに食べられていないなんてもったいない」
「もっとお米を食べてもらうために、自分たちにできることはないか」

そう考えた生徒たちは

「お米に合うおかずを作ればもっとお米を食べてもらえるのでは?」

と課題設定して探究を始めました。そしてどんなおかずがお米に合うのか検討し、試作品開発を始めました。

試行錯誤の結果、たどりついたのは梅味の餃子でした。能登高校では農業コースの生徒たちが梅干しの製造実習をしていて、自分たちが取り扱える食材を生かすことを考えたのだそうです。

試作品は先生に試食してもらいました。「うまい!」の評価をいただいて生徒もひと安心した笑顔がこぼれました。

能登高校の探究学習のポイントは、「何かをすること」自体が目的ではなく、「地域の問題解決につながること」と「自分たち高校生にもできること」との重なり部分を時間をかけて取り組んでみるところにあります。

本格的な商品化という結果・成果にたどりつくまでには高校生にとって大きなハードルがありますが、こうした活動を通して探究の手法を学んでおくことは、大人になって自分の力で学問・研究や仕事をしていくために必ず役立つはずです。