3年生(地域産業科)は「課題研究」と「総合的な探究の時間(総探)」を一体化して週4コマを使い、「6次産業化」を学年テーマとして、
「この地域をより良くするために私たちにできることはなにか?」
を1年かけてじっくりと取り組みます。
いくつかあるチームの中に
・能登をイメージした食品づくり
・能登の食材を使った商品づくり
・開発した商品をカフェで販売
を自分たちのやりたいこと(Will)として考えている生徒たちがいます。
ただ、自分たちが商品開発をしても、それを町の人たちは喜んでくれるのか?町の人たちは何を望んでいるのか?それを知らなければ自分たちの活動は地域に受け入れてもらえないかもしれないし、地域をより良くすることにはつながらないのではないか?つまり地域のNeedsを知らないということに気づきました。
地域のNeedsがわからないのなら学校から飛び出して町に出て聞いてみよう!ということで、高校の近隣でお店や事業所を営む方々を訪問してお話を聞きに行きました。
午前中から町を歩いていると近所の方々が次々に挨拶してくれます。
高校生が歩いているのを見かけるだけでも町のみなさんは嬉しそうです。
ぶらりと立ち寄った町の鍛冶屋「ふくべ鍛冶」さん。
アポイントメントをとっていたわけではなかったにも関わらず、生徒たちにていねいに鍛冶屋の歴史や商品の説明、地域のNeedsの捕まえ方などを教えてくださいました。イカさき包丁はなんと24か月待ちなんだとか。
お寿司屋さんにもお話を聞きに行きました。こちらはテレビや雑誌で何度も取り上げられている「津久司」さん。
町内はもちろん町外・県外からのお客さんもたくさんやってきて、小さな町にあっても開店前に行列ができる人気店です。
お店を営む上でどんなことを大切にしているのか、活動に注目してもらうにはどんなことが必要なのか、この町にどんな思いを持って仕事をしているのか。生徒たちにていねいに語ってくださいました。
7月のOPENを前に店舗工事中の「DOYA COFFEE」さんにも訪問しました。
お店の形が見えてくるのはまだこれからという段階で、生徒たちは完成が楽しみな様子でした。
あいにくオーナーの辻野さんは店舗運営の研修のため大阪出張ということで、オンラインでつないで話をお聞きすることができました。
高校に戻り、地域に飛び出していろいろな大人から話を聞いたことを生徒たちが振り返り、まとめました。
- 町には小さい店や閉めてしまったお店があった
- ふくべ鍛冶さんのメルマガ登録者は約8,000人(能登町の人口のおよそ半分!)
- 地域住民のニーズを把握して、応えていた
- 仕事に対して手を抜いていない
- 商品も大事だけどそれ以上に人が大事
- お客さんを相手にする以上、高校生であってもプロ意識を持つべき
- 何か1つに絞りこだわってウリを作ることが成功のカギ
- 自分ですべてをやろうとせずに他の人に任せることも必要
- 自分たちが面白い、ほしい、カッコいいと思えるものを作る
- 単なる売り場ではなくコミュニケーションと情報共有の場をつくる
- 「能登の女子高生が〇〇した」ということだけも価値がある
- 能登で高校生がキラキラしていることに価値がある
知らなかったことを知り、新しい気づきを得て、生徒たちは一歩成長したように見えました。
生徒たちは地域から感じ取ったことを今後に生かしていきます。
これからの活動がますます楽しみです。