3年生(地域産業科)は「課題研究」と「総合的な探究の時間(総探)」を一体化して週4コマを使い、「6次産業化」を学年テーマとして、
「この地域をより良くするために私たちにできることはなにか?」
を1年かけてじっくりと取り組んでいます。
いくつかあるチームの中に
・能登をイメージした食品づくり
・能登の食材を使った商品づくり
・開発した商品をカフェで販売
を自分たちのやりたいこと(Will)として考えている生徒たちがいます。
ただ、自分たちが商品開発をしても、それを町の人たちは喜んでくれるのか?町の人たちは何を望んでいるのか?それを知らなければ自分たちの活動は地域に受け入れてもらえないかもしれないし、地域をより良くすることにはつながらないのではないか?つまり地域のNeedsを自分たちは知らないということに気づきました。
地域のNeedsがわからないのなら学校から飛び出して町に出て聞いてみよう!ということで、高校の近隣でお店や事業所を営む方々を訪問してお話を聞きに行きました。
また、自分たちでも「この町の特徴は何か」「まだ広く知られていない町の魅力や誇りは何か」「どんなことが解決できずに残されているのか」「どうすればこの町に住む人たちがここを良い町だともっと思えるようになるのか」を考えました。
そこで生徒たちが思い至ったのは能登町の定置網で獲れるクジラの存在でした。
歴史的には町内にある縄文真脇遺跡でクジラやイルカの骨が多数発見されていて古代から能登に住む人々の食料等に活かされてきたこと、江戸時代の文献によればクジラが水揚げされることで地域が潤ったこと、クジラの昔話や伝説が残されていること、今でもクジラを上手にいただく食文化が息づいていること、など、生徒たちや若い住民らが詳しくは知らない魅力と特徴があることに気が付いたのです。
「クジラの町能登町をまずは町の人たちに再認識してもらおう」
そう考えた生徒たちは、クジラをモチーフにした、カフェで販売できる商品開発を始めました。
それは生徒たちが元々やりたかったカフェでの販売(Will)と地域の課題(Needs)とが交わった瞬間でした。
(生徒たちのWillとNeedsを書き出した検討メモ)
生徒たちはクジラと海をイメージした「青」いジュースを開発を始めました。
そして鮮やかな青さを表現するために行きついたのは「バタフライピー」と「ブルーベリー」でした。
いま巷で話題のバタフライピーはマメ科の植物で、煮出すと鮮やかな青になります。
ネット検索すると岐阜県立加茂農林高校の生徒が有限会社FRUSICさまと協働して商品開発しているとわかりました。
さっそく生徒が問い合わせてご相談したところ、ティーバッグを使わせていただけることになりました。
(岐阜県立加茂農林高校と有限会社FRUSICさまが開発したバタフライピーのティーバッグ)
また能登町特産のブルーベリーの使い方については、能登町柳田のひらみゆき農園さまにご相談したところ、ブルーベリー酢の活用を勧めていただきました。きれいな紫色と爽やかな酸味が特徴です。
(オンラインでひらみゆき農園さまと相談する能登高生)
各所のご協力の下、これらの素材を活かしたクジラをイメージさせる商品の開発が能登高生によって始まりました。
今後の活動が楽しみです。