能登高校では、生徒たちが地域課題に向き合い、主体的に解決策を探る「総合的な探究の時間」に取り組んでいます。
その中の一つ、地球環境ラボの「ウニ班」は、高校の実習船「おおとり丸」が停泊する船着き場をフィールドに活動しています。彼らは、海藻の減少によって海の生態系が破壊され、まるで海が砂漠のようになる「磯焼け」の問題に着目し、その解決に向けた活動を進めています。
ウニに関しては、これまでの先輩たちも「ウニの畜養」や「肥料化」といったテーマで探究したことがありました。
今年度の「ウニ班」は探究活動の初期段階で、「ウニを駆除することで海藻が回復するのか」を調査しようとしました。しかし、それだけではすでに先行研究で明らかになっている事象を検証するための実験調査に留まってしまい、「総合的な探究の時間」の目指す地域の課題解決という要素が弱くなってしまうという思いが芽生えました。また、海藻が増える時期は冬であり、ウニ駆除の結果を検証できるのも冬以降となることから、今年度中に結果を得るというスケジュールに乗せることが難しいという問題もありました。そこで、現在では駆除したウニを「畜養」や「肥料化」といった手法とは大きく異なる、アクセサリーやインテリアなどに加工するという新たなアプローチで、本来全く価値のつかないウニに付加価値を生み出す取り組みにも着手しています。
さらに、こうした加工品を、8月末に開催される能登高祭や地域の外部イベントで販売することも目指しています。ウニに新たな価値を見出し、能登の海を守る一歩とすべく、「ウニ班」は今後も意欲的に活動を続けていきます。