石川県立能登高等学校

探究の窓

2026/03/12能登の海から新しい産業を ~ウニ畜養班の探究~

能登高校の「総合的な探究の時間」では、生徒自身がテーマを設定し、情報収集や仮説検証を繰り返しながら課題解決を目指しています。
今回は、数あるチームの中から「ウニ畜養班」の取り組みをご紹介します。

彼らが所属する「地球環境ラボ」は、能登の自然や一次産業を基盤とした地域活性化策を考えるグループです。
製品開発やイベント企画など多様なプロジェクトが動く中、彼らのチームは唯一「地域に新たな産業を創出する」という本格的な目標を掲げて探究を進めていました。

実は、彼らは当初からウニに着目していたわけではありません。最初は、能登の海に多く生息する大型魚「ボラ」の養殖に着目するところから活動をスタートさせました。
高級珍味「からすみ」の原料となる卵巣だけでなく、安価に取引されがちな身の部分にも高い付加価値を付けることで、地域に利益と雇用を生み出せると考えたのです。

リーダーの牽引力とメンバーの高い課題意識により、活動は順調に滑り出しました。
飼育設備の検討や、「能登らしさ」を出すための特製エサの考案、さらにはボラの生息地を調査し、実際に捕獲に向かう準備まで進めていました。

ボラを捕まえる投網の練習をする生徒

ところが、ここで大きな壁にぶつかります。
飼育設備やエサ代が想定以上にかさみ、予算を超過する可能性があることが判明したのです。

この資金問題に直面し、チームは大きな決断を下します。
それは、多額の費用がかかるボラ養殖を断念し、比較的コストが抑えられ、別枠の予算も活用できる「ウニの畜養」へとターゲットを変更することでした。
能登高校の探究活動ではPDCAサイクルを回すことを重視していますが、これほど大胆な方針転換を行った班は珍しいです。
彼らは、最もダイナミックなPDCAサイクルを体現したと言えるかもしれません。

こうして「ボラ養殖班」は「ウニ畜養班」として再スタートを切りましたが、「能登に産業を興し、雇用を生み出す」という根本の志が揺らぐことはありませんでした。
方針転換後も一直線に活動を進め、実際にウニを採取して試食・価値検証を行ったり、地元素材を活用したエサの考案、先進事例の調査などを短期間で精力的にこなしていきました。

今年度末の時点では、ウニの畜養から販売・産業化という土台作りを完了させるまでには至りませんでした。
しかし、生徒たちは今年度の試行錯誤を糧に、来年度も引き続きこのテーマに挑むという強い意志を見せています。

来年度の「ウニ畜養班」のさらなる飛躍が、今からとても楽しみです。