石川県立能登高等学校

探究の窓

2026/03/13放課後を変える挑戦 ― 遊び場作りチームの探究

能登高校の「総合的な探究の時間」では、生徒たちが自分たちで探究テーマを見つけ、情報を収集・整理しながら、課題解決に向けて仮説形成と検証を繰り返します。

今回は、そんな探究チームの中から「遊び場作りチーム」の取り組みをご紹介します。

彼らが遊び場作りをテーマに選んだ理由は、とても素朴な問題意識でした。
「自分たちの放課後が暇な時間ばかりだ。」

休日も都会の高校生のような遊び方をする機会はあまりなく、友達と家で遊んだり、天気の良い日に釣りに出かけたりするくらい。そんな日常を、どこか退屈だと感じていました。
そこで、「自分たちのような高校生の放課後を変えることはできないだろうか」と考え、彼らは遊び場作りを探究することにしたのです。

まず考え始めたのは、「どんな遊び場を作ることができるのか」ということです。
しかし、机に向かって考えているだけではなかなかアイデアが浮かびません。

ときには学校の外に出て話し合ったり、友達に意見を聞いたりしながら、少しずつ案を出していきました。
ライブイベント、DJパーティ、ボウリング、カフェイベントなど、さまざまなアイデアが挙がりました。

いくつか候補は出たものの、イベントを運営した経験がないため、「どこで」「どのように」実現すればよいのかが分かりません。
そこで、最も実現しやすそうな「カフェイベント」を開催することにしました。

カフェを選んだ理由は、知り合いにカフェを営業している方がいたからです。
その方にカフェ運営について相談しながら、イベントの準備を進めていきました。

カフェイベントでは、まずコンセプトを考えました。
開催予定日がテスト期間と近かったこともあり、「勉強カフェ」と題して、放課後に自習ができるカフェを運営することにしました。

能登町にはマクドナルドやスターバックスのような、高校生が気軽に集まれるチェーン店がありません。
そこで、放課後に友達と集まりながら勉強できる場所を作ろうと考えたのです。

パンケーキやアイストースト、ドリンクなどのメニューを考え、試作を重ねながら提供のイメージを膨らませました。
仕入れ額を計算しながら値付けを行い、メニュー表も自分たちでデザインしました。

さらに、ポスターを作成して校内に掲示したり、学校のPCを通じて配信したりするなど、イベントの宣伝にも取り組みました。

準備の甲斐あって、当日は10人ほどの能登高生が集まり、スイーツを食べながら歓談の時間を楽しみました。

イベントを振り返ると、いくつかの反省点も見えてきました。
そもそも能登高校の生徒に「カフェで勉強する」という習慣がなく、1日だけのイベントでは狙い通りの体験を作ることができませんでした。
また、ドリンクメニューの値段設定が高すぎたため、赤字になってしまうという問題もありました。

一方で、高校生が放課後に寄り道をしてカフェで過ごすという新しい体験を作すことができたのは、大きな一歩でした。
そしてこのイベントの参加者から感想を集めながら、次の企画へと進んでいきました。

次に企画したのは、バーベキューイベントです。
事前アンケートで参加希望が見込めそうだったため、開催を決めました。
前回と同様に、仕入れ額を計算しながらメニューを考え、参加費を設定しました。
場所は、宇出津コミュニティラボさんの古民家裏の空きスペースをお借りできることになりました。

しかし、参加者が十分に集まらず、開催は断念することになりました。

その理由を振り返ると、事前アンケートではバーベキューへの関心が高かったものの、ポスターによる告知が遅かったことや、参加費2,000円が参加のハードルになっていた可能性が考えられました。

そこで2回目のバーベキュー企画では、ポスター告知を余裕を持って行なうことに加え、参加費を無料にして計画しました。
無料にするために、余っているお肉を提供してもらったり、野菜や調味料を持ち寄り形式にしたりするなどの工夫をしました。

当日は参加希望者もいましたが、残念ながら雨天により中止となりました。
雨天時の対応を事前に考えておくべきだったことが、反省点として残りました。

最終発表では、これまでの過程や反省点をスライドにまとめ、校内発表に臨みました。
慣れない発表やスライド作りでしたが、放課後の時間も使いながら準備を進め、無事に発表を終えることができました。

身の回りにどのような問題があり、それをどのように解決すればよいのか。
右も左も分からなかった1年前と比べると、彼らはこの探究活動を通して大きく成長しました。

彼らはこれから進学や就職に向かう高校3年生になります。
探究活動で得た経験がこれからどのように活かされていくのか、とても楽しみです。