石川県立能登高等学校

探究の窓

2026/03/19海ゴミ問題から地域・DX化を探究する ~海ゴミ男子班~

能登高校の「総合的な探究の時間」では、生徒たちが自ら探究テーマを設定し、情報を収集・整理しながら、課題解決に向けて仮説の形成と検証を繰り返しています。

今回は、そうした探究チームの中から「海ゴミ男子」班の取り組みをご紹介します。

海ゴミ拾い活動から啓発活動へ

「海ゴミ男子」班の探究は、先輩のテーマを引き継ぐ形で始まりました。

高校から見える能登の海は美しく見えます。しかし、実際に近づくと、ペットボトルなどのゴミが目立ちます。
こうしたゴミは景観を損なうだけでなく、魚や海鳥が誤って口にし、命を落とす原因にもなります。

この問題に強い危機感を抱き、「海ゴミ男子」班は先輩の活動を引き継ぎました。

2025年の夏には、高校近くの羽根海岸で初めてのゴミ拾い活動を実施しました。
5人でひたすらゴミを拾いましたが、そこで直面したのは、到底拾いきれないほどの海ゴミの多さでした。

さらに後日、同じ海岸を訪れると、新たなゴミが漂着している現実にも気づきます。

この経験から、「海ゴミ男子」班は、能登のすべての海岸でゴミを拾い続けることは現実的に不可能だと考えました。

そこで、手作業で海岸をきれいにすることにこだわるのではなく、ゴミを排出する私たち人間の意識を変え、海に流出するゴミそのものを減らす方向へと方針を転換しました。

方針転換後の「海ゴミ男子」班の行動力には、目を見張るものがありました。

短期間で海ゴミに関する教材を作成し、町内の保育所で出張授業を実施。
子どもたちに海ゴミ問題について伝える教育活動を行いました。

これは、「子どもの意識が変われば、大人の意識にも影響を与えられるのではないか」という仮説に基づいた取り組みです。

また、並行して羽根海岸でのゴミ拾いイベントの企画も進めました。

SNSでの発信や海沿いの住宅へのポスティングなど、参加者募集に力を入れました。
途中、「高校生が主催していることが分かりにくい」という意見を受けると、高校生主催であることを強調したPR動画を急きょ制作・公開するなど、柔軟に対応しました。

その結果、当日は40人を超える参加者が集まり、羽根海岸のゴミの大部分を回収することができました。同時に、多くの人に海ゴミ問題を伝える機会にもなりました。

この成功体験は、「海ゴミ男子」班のその後の活動をさらに加速させるきっかけとなりました。

羽根海岸で行われた海ゴミ拾いイベントの記念撮影

 

啓発活動の発展:アプリによる新たな挑戦

その後、「海ゴミ男子」班は、NPO法人カタリバ主催の「マイプロジェクトアワード」での発表など、対外的な発信にも取り組みながら、新たな挑戦を始めました。

それは、海ゴミに関心を持ち、自発的にゴミ拾いを行う人を増やすためのアプリ開発です。
海ゴミ問題は一度の活動で解決できるものではありません。
そのため、多くの人が継続的に関わる仕組みが必要だと考えたのです。

この発想の背景には、これまでの活動を通して多くの人を動かし、イベントや授業を実現してきた成功体験がありました。

現在は、有識者と協議を重ねながら、アプリ開発を進めています。

「海ゴミ男子」班の探究は、来年度も引き続き発展していくことでしょう。
今後のさらなる活躍が期待されます。